スペシャル・インタービュー<第1回>
ウィーンオペラ座舞踏会総括指揮者 Mrs. Diseree Treichl-Stürgkh
2009年は日本・オーストリア修好140周年。
ウィーン舞踏会を"文化として"ご紹介しておりますクライネ・クローネからは、ウィーンや舞踏会、文化にまつわる方々からの「スペシャルインタビュー」をお届けいたします。
数あるウィーン舞踏会の中でも、その規模、格式共に最高とされるオペラ座舞踏会・オーパンバルの総括指揮者、Desirée Treichl-Stürgkh女史です。
オペラ座舞踏会事務局に訪問したのは、舞踏会本番3日前という、最も忙しい最中でした。
また、舞踏会事務局長のEva Dintsisさんも途中から同席下さいました。
インタビュー抜粋
クローネマキコ(以降KM):
本日は舞踏会直前という本当にお忙しい中、お時間を作って頂きありがとうございます。
さて、昨年からあなたがオーパンバル総括指揮者となられましたが、いかがですか?
Diseree Treichl-Stürgkh女史(以降DT):
とても楽しく仕事をしていますよ。
私自身はジャーナリストで、メディア関連の仕事もしています。
例えば週間前には350人ものジャーナリストを前にこの舞踏会の記者会見をしたりと、大変ではありますがとても楽しいです。
KM:
そして去年から、オペラ座舞踏会は前年までといくつかの、違いを見ました、例えば、オペラ座入口にレッドカーペットの豪華なデコレーションがついたり、オープニングセレモニーの構成も少し変り、参加者に配られるプログラムも様変わりしましたよね。
それらは、どのような意図からの変革なのですか?
DT:
まずは舞踏会に参加されるゲストの方々と、そしてまたテレビの前でこの舞踏会を見ている人々にも、デビュタントやオープニングセレモニーだけでなく舞踏会の全体をもっと見て頂きたいし、そしてもっと、想像を膨らませて頂けるような、すてきな印象を作りたいと思ったのです。
KM:
舞踏会総括指揮者として、"あなたのオーパンバル"が今後、目指していきたいのは、どんな舞踏会ですか?
DT:
この舞踏会にはたくさんの、大事な要素があります。
オープニングのデビュタントセレモニー、オペラ座にいるということ、周りの文化なども。
そして出演するアーティストや、参加する外国人の人たちも、舞踏会の大切な一部となって頂きたいのです。
同時に、オペラ座舞踏会の伝統、そんな古き良き昔を思い出されるようなスピリットも、生み出したいと思います。
そしてまた、舞踏会では、"皆が歓迎し"、そして"すべての参加者が歓迎されている"、そんな感覚を皆さんに味わって頂ければと思っています。
KM:
特に外国からの参加者に、どんなことを経験し、楽しんでもらいたいですか?
DT:
まずは、会場に入ったらいっぱいの美しいお花を楽しんで下さい。
特に今年は、オペラ座自体も建築140周年記念なのです。
その建築のすばらしさも、ぜひ楽しんで頂きたいと思います。
また、そんなオペラ座の中には、200メートルもの素晴らしいメインフロアー、そこで繰り広げられる舞踏会という、他に類を見ない特別さ、そして何より、参加している人たちの中に湧き上がる特別な感情。
それらすべてを、ぜひ、楽しんで頂きたいと思います。
KM:
2009年は日本・オーストリア140周年記念年として、1月には大使主催の舞踏会が東京で開かれましたが、"オーパンバルinジャパン"を開くというアイデアなどは?
DT:
今はまず、3日後にせまったオーパンバルを成功させることが第一ですので、考えられませんが、もちろん、そのような機会があれば、不可能ではないと思いますよ。
あとがき
このインタビュー中にも、ひっきりなしの電話、訪問客、そしてまた電話。
戦場のような光景に、舞踏会3日前に訪問してしまったことを改めて実感いたしました。
「残念ながら舞踏会当日は、動き回っているのでお会いするのは難しいと思うけれど、舞踏会を楽しんで行って下さいね」という言葉を頂き、事務所を後にしました。
いつか、"戦場"でない機会に改めて、ゆっくりとお話しを伺えればと思っています。
わざわざ時間を作って下さったTreichl-Stürgkh女史とDintsisさんに、御礼を申し上げます。
I am sorry for visiting her at the busiest timing just before the Opernball but appreciate very much for taking time for me. I am looking forward to seeing her and Mrs. Dintsis again in a better timing.