@ぽんちゃん@、あなたが駐車場からうちにやって来た時、
すでに、あなたは白血病と猫エイズを持っていたのですね。
食べても食べても大きくならない、口の中には大きなできものができてしょっちゅう出血、常に風邪のような症状・・・。
病院で検査して、「2つとも陽性です」の宣告には、涙が止まらなかった、その時あなたはじっと私を見ていましたね。
それでも、あなたを “抱っこ抱っこ抱っこ” して、“お鼻ちょん” して、“ぎゅーーー” して、
あなたの目をじっと見て話し掛けると、あなたも私をじっと見て、そのうち気持ち良さそうに目を細めていましたね。
あんな表情の にゃん は、それまでもそれ以降も、見たことがないよ。
あの、幸せな時間が、そう長くは続かないことを、わかっていたから、毎日が、一瞬が、大切だった。
あなたと過ごすどんな一瞬も、心に刻み付けていこうって、そんな日々だったよ。
免疫を高めるのにいいと聞くものは、あれこれ、試してみたけれど、
「一番の薬は、愛情ですよ」と獣医の先生に言われるまでもなく、毎日毎日、本当に大切に大切に、
たくさんたくさん 「@ぽんちゃん@かわいいね」「大好きだよ」「少しでも良くなろうね」と話しかけ、
たくさんたくさん、なでなでしてあげたね。
“@ぽんちゃん@の歌” まで作っちゃった・・・。
一度、発作を起こして、もうダメかと思ったのに、あなたは奇跡的に立ち上がり、自分で水を飲んだ・・・
そしてそれから、2週間、頑張ってくれたね。
だけど最後の日に・・・おもらしをしてしまったあなたをきつくしかったことが、今も悔やまれます。
そして、買い物に行こうとする私のあとを、いつまでもいつまでも付いて回っていたこと・・・あれが、
あなたが歩いたのを見た最後だったなんて。
20004年10月25日早朝、見守られてなでなでされながら、本物の天使になりました。
2年半の短い命だったけれど、幸せだったかな・・・。
遊ぶ姿も、寝姿も、食べる時も、うんちをする時も、見上げてごはんをねだる時も、
朝、目が覚めると目の前にあなたの真黒な目があったことも、すべて、信じられないくらい、かわいかったね。
最後の時期、輸血のために朝、病院に預けて夕方迎えに行くと、消え入りそうな声で泣きながら連れてこられて、
私の首に抱きついてきた、すでにがりがりのあなたが、本当に、いとおしくて、抱きしめては涙していたんだよ。
大きな幸せをくれたね、本当に、ありがとう。 いつか、@ぽんちゃん@の闘病日記&写真を本にするね。
天国では、もう、痛みもなく、のんびりと過ごしていますか?
必ず、生まれ変わって、また、会おうね。永遠に、大好きだよ。
私はいまだに、あなたのことを考えると、涙です・・・。
番外編 ウィーンのある夜のフシギな出来事 2005年11月
先日、ウィーン少年合唱団がミサで歌う王宮礼拝堂でのパイプオルガンコンサートで、堂内に響くオルガンを聞きながら、
天使になった@ぽんちゃん@のことがなぜか色々と思い出されていました。
最後の時期は病院通いで、つらかっただろうね、ごめんね、の思いにひとり涙をこらえていました。
その夜、「夢に出てきてね」と、枕元に置いた写真に話し掛けて寝たら…
本当に夢に、それもはっきりと、あの子だとわかるように出てきて、
ずっとしたかった"抱っこ抱っこ"を、させてくれたのでした、
束の間の、幸せな時間。
そこで電話が鳴り(滞在アパートには電話はなかった)、目が覚めました、外はまだ真っ暗。そして思ったのです、
朝起きて夢の記憶が薄れてしまうその前に私を起こして、幸せな夢を忘れないようにしてくれたんだ…
そう思ったらうれしいのと悲しいのとで、暗闇の中、さめざめと泣きました。
後日、現地の友人にこの話をして、片道1時間の通院、輸血までしたことが果たしてあの子にとってよかったのかどうか…と言うと
「もちろん。だって、もしそれでマキコのことが嫌いだったら、夢には出てきてくれなかったでしょう?」。
この言葉に又もやはらはらと涙がこぼれてしまったのでした。